自惚のろけ)” の例文
「K—さんにお自惚のろけを聴かされているところなんですの。どうしてお安くないんですよ。」お銀は沈んだような調子で言った。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
昨日きのふは一日、芝で古道具屋をしてゐる叔母の處へ行つて、散々さんざツぱら姉の棚卸たなおろしや、自分の自惚のろけやら愚痴やら並べて、其晩寄席よせへ連出したことも確である。
絶望 (旧字旧仮名) / 徳田秋声(著)
後で気のついたことだが、ちびりちびり酒を飲みながら、自惚のろけまじりのK—の話のうちには、女を友達から引き離そうとするような意味も含まれてあった。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
「面白くでもない。北海道の女のお自惚のろけなんぞ言って」
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)