脚気衝心かっけしょうしん)” の例文
と、自分の重態もわすれて、炎天を馳けつけ、その人を救うために沖へ泳いだので、脚気衝心かっけしょうしんを起して途中でことぎれてしまったのである。
剣の四君子:04 高橋泥舟 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
旧本陣の母屋もやを借りうけている医師小島拙斎も名古屋の出張先から帰って来ていて、最後まで半蔵の病床に付き添い、脚気衝心かっけしょうしんの診断を下した。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
この様子で心臓まで麻痺まひしてしまったらいわゆる脚気衝心かっけしょうしんというような具合で死ぬのか知らんと思いました。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
それから細木覚次郎君は内弟子となって修業中、気の毒なことに脚気衝心かっけしょうしんで私宅にて亡くなりました。
八月の二十日として喪を発表せられたのは、御跡目おんあとめ相続および御葬送儀式のために必要とせられたのであって、実際には七月の十九日に脚気衝心かっけしょうしんの病で薨去せられたという。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)