肩衝かたつき)” の例文
その頃の流行にかぶれて、大枚の金子を払つて出入りの道具屋から、雲山といふ肩衝かたつきの茶入を手に入れました。
利休と遠州 (新字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
絹のきれが全く除けられてしまうと、そこにはだかの雲鶴青磁が肩衝かたつきもなめらかに立っているのを見た。彼は陶器が裸になった羞かしさを見たことがはじめてであった。
陶古の女人 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
からもの肩衝かたつきで、これが東山義政ひがしやまよしまさの手に入ったとき、義政がよろこびの余り「くれなゐの初花染めの色深く思ひし心我れ忘れめや」の一歌をえいじたというのでこの銘がある。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
肩衝かたつきの茶入だよ」
肩衝かたつきの茶入だよ」