肥桶こえをけ)” の例文
そして、私の家に出入りしてゐた和助といふ老人夫婦が、自ら望んでそこの留守番になつた。くは肥桶こえをけや僅かな農具をたづさへて渡つて、島のはたけを耕すのだと云つてゐた。
避病院 (旧字旧仮名) / 正宗白鳥(著)
トラツクから肥桶こえをけを積みおろしてゐる紫紺しこんの海水着を一着いつちやくにおよんだ、飴色セルロイドぶちの、ロイド眼鏡をかけた近郊のあんちやんが、いまや颯爽と肥桶運搬トラツクに跳び乘り、はんどるを握つて
夏の夜 (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)