肚皮とひ)” の例文
従来事に臨んでさらにあわてず、冷静に「われ」を持したる彼をして、思うてここにいたるごとに、一肚皮とひの憤恨猛火よりもはげしく騰上し来たるを覚えざらしめたり。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
「愛酒等間任歳移。読書不復解時宜。検来四百四般病。最是難医我性痴。」一肚皮とひは時宜に合はない。病は治すべくして、痴は治することが出来ない。これも亦レジニアシヨンの語である。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)