美福門院びふくもんいん)” の例文
そのとき父俊成は四十九歳、定家には七歳上の兄成家なりいえがある。母は美福門院びふくもんいんの女房加賀かがといって、はじめ皇后宮少進藤原為隆ためたかの妻であった。
中世の文学伝統 (新字新仮名) / 風巻景次郎(著)
鳥羽の寵姫、美福門院びふくもんいんは、すでに、幼帝近衛の御母であり、ここにまた、女院政治すら行われそうです。
随筆 新平家 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
わが子の重仁しげひとこそ当然天下を統治すべきものと、自分も世間も思っていたのに、美福門院びふくもんいんの妬みにさまたげられて、第四皇子の雅仁まさひとに帝位をうばわれたのは、まことふかいうらみではないか。