美留女みるめ)” の例文
妾はあの夢を見てからのちは、明け暮れ自分のへやに閉じ籠もって、美留女みるめ姫であった昔が本当か、今の美紅の身の上が本当か考えましたが、どうしても解りませんでした。
白髪小僧 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
紅木べにき公爵という、丈の高い、黒い髪を生やした、あの美留女みるめ姫のお父様によくた総理大臣と、沢山の護衛の兵士に連れられて、お城の北の紫紺樹しこんじゅという樹の林の中に在る
白髪小僧 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
美留女みるめ姫に誘われて一所にあとから逃げながら、このお爺さんのめき声を聞き付けて不図うしろをふり返ると、その顔を一目見るや否や、お爺さんは又もや腰の抜ける程驚いた様子で——
白髪小僧 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)