ワヅ)” の例文
ワヅかに百年、其短いと言へる時間も、文字に縁遠い生活には、さながら太古を考へると、同じ昔となつてしまつた。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
ワヅかに百年、其短いと言へる時間も、文字に縁遠い生活には、さながら太古を考へると、同じ昔となつてしまつた。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
ワヅかにさす薄光りも、黒い巌石ガンセキが皆吸ひとつたやうに、岩窟イハムロの中に見えるものはなかつた。唯けはひ——の人の探り歩くらしい空気の微動があつた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
ワヅかに百年、其短いと言へる時間も、文字に縁遠い生活には、さながら太古を考へると、同じ昔となつてしまつた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
ほんのワヅかの眠りをとる間も、ものに驚いて覚めるやうになつた。其でも、八百部の声を聞く時分になると、衰へたなりに、健康は定まつて来たやうに見えた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)