繁忙はんぼう)” の例文
そしてそれを呉押獄ごおうごくへ授けたが、折ふし曹操の病が重態を伝えられ、宮門の内外も各役所も何となく繁忙はんぼうと緊張を加えていたので
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
大炊介がそこへ入って、幾刻いくときともたたないうちに、表の政務所のほうでは、にわかに繁忙はんぼうなうごきが現われていた。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
また郭嘉の子郭奕かくえきを取り立てなどして、帰来、宰相としての彼は、陣中以上、政務に繁忙はんぼうであった。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
なにしても、ここ坂本におけるかれの起居は、日々繁忙はんぼうをきわめていた。伊勢南尾張方面の軍司令部と、北陸東奥から南紀西国にわたる全土の外交諜報本部をかねていた。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
佐久間信盛にしても、役儀上、催促さいそくはしてよこすが、厳密な監視をしているわけでもない。加うるに、軍務と戦陣のことで、信長始め、安土衆のあたまは繁忙はんぼうを極めている。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)