絨毛じゅうもう)” の例文
猫の耳というものはまことに可笑おかしなものである。薄べったくて、冷たくて、竹の子の皮のように、表には絨毛じゅうもうが生えていて、裏はピカピカしている。
愛撫 (新字新仮名) / 梶井基次郎(著)
桃の実の絨毛じゅうもう、梅の実の粉毛、輻射状ふくしゃじょうの雪の結晶、粉羽におおわれてる蝶の翼、などさえも皆、自らそれと知らない処女の純潔さに比ぶれば、むしろ粗雑なものにすぎない。
総司令官フランス王子と相並んで、後にシャール・アルベールと言われたカリンニャン大侯が、義勇兵として擲弾兵てきだんへいの赤い絨毛じゅうもうの肩章をつけて、民衆を圧伏せんとする諸国王らの企てに加入したこと。