経緯儀セオドライト)” の例文
先刻さっきから目標にして紅白の向桿ポールを立ててたたずませておいた土人のニストリが動揺して、経緯儀セオドライトを覗いている私の観測がどうしても付かなかった。
令嬢エミーラの日記 (新字新仮名) / 橘外男(著)
あの不幸な朝、同行者の一人とともに、経緯儀セオドライトや測距計などの重要な計器を納めてあった背嚢ナップサックを、酷薄な谷が呑み込んでしまった。もちろん、だれの過失でもない。
地底獣国 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
ニストリの向桿ポールを立てていた地点は、私が経緯儀セオドライトを据えていたところから九十ヤードの距離、ジアンドロの佇んでいたところは、さらに三、四十ヤードの距離であったが
令嬢エミーラの日記 (新字新仮名) / 橘外男(著)
博士は、経緯儀セオドライトを取り出すと、手ばやく自分らのいる地点の観測に取りかかった。
地底獣国 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
第八観測点 bis.(午後三時〇分)経緯儀セオドライトによる方位角。北緯六十二度二十一分、東経百四十度226mt. 羅盤方位 SE60°nt. 測距計、九〇・三キロ。温度三一・六。
地底獣国 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
一時間ほどすると、経緯儀セオドライトに眼をあてていたジェームスが、こちらへ振返って、片手をあげてみせた。間もなく南極の頂点に着くという合図だったが、バード大佐は、なぜか愉しくなかった。
南極記 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)