紙門からかみ)” の例文
答えがないので、為さんはそっと紙門からかみを開けて座敷を覗くと、お光は不断着をはおったまままだ帯も結ばず、真白な足首あらわにつまは開いて、片手に衣紋えもんを抱えながらじっと立っている。
深川女房 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)
仰向いて見る天井に小歌が嫣然にっこり笑って居るので、これではならぬと右へ寝返れば障子にも小歌、左へ寝返れば紙門からかみにも小歌、鴨居にも敷居にも壁にも畳にも水車の裾模様が附いて居るので
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)