紗布しゃぎぬ)” の例文
で、一切の建物が、紗布しゃぎぬに包まれているようである。社を中心に空地がある。その空地の一所に、女は坐っているのであった。
南蛮秘話森右近丸 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
谷の方へ向いた窓の口は、蒼い紗布しゃぎぬを四角に切って、そこへ張ったように蒼白く見えた。
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
蒼白い紗布しゃぎぬでも張り廻したような、月明の春の夜が広がっている。
血ぬられた懐刀 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)