紅毛人こうまうじん)” の例文
紅毛人こうまうじんたちの悲劇論はここでは不幸にも通用しない。悲劇を作るものは人生である。美学者の作るわけではない。)
機関車を見ながら (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
自分の榮華のために、紅毛人こうまうじんに御國のたからをやつて、厄體もない贅澤な品物を買入れ、それを
おまけにあの方の一家一族——長崎画ながさきゑに出て来る紅毛人こうまうじんも皆同じ事ではありませんか? あたしはあの人たちの顔を見てさへ胸が悪くなつて来る位です。
長崎小品 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
ではかう云ふ小説は紅毛人こうまうじん以外には書かなかつたか? 僕は僕等日本人の為に志賀直哉氏の諸短篇を、——「焚火たきび」以下の諸短篇を数へ上げたいと思つてゐる。
僕等は、——少くとも僕は紅毛人こうまうじんの書いた詩文の意味だけは理解出来ないことはない。
家内の容子差し覗き候所、篠宅の戸を開け放ち候中に、紅毛人こうまうじん一名、日本人三名、各々法衣ころもめきし黒衣を着し候者共、手に手にかのくるす、乃至は香炉様の物を差しかざし候うて、同音に、はるれや
尾形了斎覚え書 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)