紅木こうぼく)” の例文
顔馴染かほなじみの道具屋をのぞいて見る。正面の紅木こうぼくたなの上に虫明むしあけらしい徳利とくりが一本。あの徳利の口などは妙に猥褻わいせつに出来上つてゐる。
続野人生計事 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
譚は鴇婦と話したのち、大きい紅木こうぼくのテエブルヘ僕と差向いに腰を下ろした。それから彼女の運んで来た活版刷の局票の上へ芸者の名前を書きはじめた。
湖南の扇 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)