精好せいごう)” の例文
そんな話をしているところへ、幕をかかげてヌッと入ってきた、目のさめるような少年、のし目の紋付、精好せいごうの袴に長刀を左にたずさえて
幻術天魔太郎 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
藤色のふりそでに精好せいごうはかま、気品すぐれた少年がひとり、灯籠とうろうの上につったって、何やら印をむすんでいるのです。
幻術天魔太郎 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
曙染あけぼのぞめのりっぱな小袖、精好せいごうはかま、青じろい顔をキッとおこして、天地に恥じぬつらだましいは、まことに、美玉のようにきよらかで、後光がさしそうな威厳があったのです。
幻術天魔太郎 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
さやさやと衣摺れの音が聞えるのは、羽二重はぶたえ甲斐絹かいき精好せいごう綸子りんずでなければなりません。
銭形平次捕物控:126 辻斬 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)