“管弦楽（オーケストラ）” の例文
その芝居で彼女は、時々ある文句を歌いながら管弦楽（オーケストラ）の伴奏に合わして語りたいのだった。彼はその考えに夢中になった。
ジャン・クリストフ：06 第四巻　反抗 (新字新仮名) ／ ロマン・ロラン(著)
じっと心を落着けると、今迄気付かなかった自動車の警笛、停車場の汽笛、その他様々な物音が相まじり合って、異様などよみをつくっている。気のせいか、何処かで管弦楽（オーケストラ）をやっているようだ。
日蔭の街 (新字新仮名) ／ 松本泰(著)
管弦楽（オーケストラ）の指揮というものは、かなり古くから開拓されたものだが、しかし昔の指揮は原作者の意図を生かすことを以て最上とし、従って楽譜通りに演奏すれば以て足れりとしたのであるけれども
名曲決定盤 (新字新仮名) ／ 野村胡堂、野村あらえびす、野村長一(著)
彼はいつもその台本を丹念にたどることを欠かさないで、時としては舞台で演ぜられてることを忘れるくらいだったのである。管弦楽（オーケストラ）が始まった。
ジャン・クリストフ：03 第一巻　曙 (新字新仮名) ／ ロマン・ロラン(著)
宮廷音楽団の管弦楽（オーケストラ）は、コリオランの序曲を奏し出した。子供はコリオランもベートーヴェンも知らなかった。
ジャン・クリストフ：03 第一巻　曙 (新字新仮名) ／ ロマン・ロラン(著)
祖父は管弦楽（オーケストラ）の後ろの第一列の定席についた。彼は手摺（てすり）によりかかって、すぐにバスひきとのべつに話をやり出した。そこは彼の得意の壇場（だんじょう）だった。彼は音楽の権威だったから人々から謹聴された。
ジャン・クリストフ：03 第一巻　曙 (新字新仮名) ／ ロマン・ロラン(著)