笹龍胆ささりんどう)” の例文
新字:笹竜胆
墓は小さい堂のなかにまつられて、堂の軒には笹龍胆ささりんどうの紋を染めた紫の古びた幕が張り渡されていて、その紫のめかかった色がいかにも品のよい、しかも寂しい
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
空色に笹龍胆ささりんどうの紋じるしをあらわした総督家の旗もそのあとに続いた。
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
さらに左に折れて小高い丘にのぼると、高さ五尺にあまる楕円形の大石に征夷大将軍源左金吾げんさきんご頼家尊霊と刻み、すすびた堂の軒には笹龍胆ささりんどうの紋を打った古い幕が張ってある。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)