“竹田（たけだ）” の例文
そして菅茶山が神辺にあつて狩谷棭斎の江戸より至るを待つた如くに、梅泉は長崎にあつて竹田の竹田（たけだ）より至るを待つたものと見える。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) ／ 森鴎外(著)
しかもその偽物を勤めている男は最も信頼すべき団員の一人、竹田（たけだ）という共産主義者の筈だ。そいつがどうして、こんな馬鹿馬鹿しい裏切りを始めたのであろう。
猟奇の果 (新字新仮名) ／ 江戸川乱歩(著)
大阪風の竹田（たけだ）頭巾でもなく、二幅錣（ふたのしころ）の宗十郎頭巾でもない。
大菩薩峠：37 恐山の巻 (新字新仮名) ／ 中里介山(著)
わたくしはかつて歴史の教科書に、近松（ちかまつ）、竹田（たけだ）の脚本、馬琴（ばきん）、京伝（きょうでん）の小説が出て、風俗の頽敗（たいはい）を致したと書いてあるのを見た。
渋江抽斎 (新字新仮名) ／ 森鴎外(著)