竜土町りゅうどちょう)” の例文
旧字:龍土町
蛤御門はまぐりごもんの事変から江戸にある長州藩邸はみな取り壊しになったが、去年の八月、麻布竜土町りゅうどちょうの中屋敷を取り壊した時には、俄かに大風が吹き出したとか
「ああ君、ちょっと行先きを変えるよ。麻布あざぶ竜土町りゅうどちょうだ。竜土町のね、明智小五郎っていう家へ行くんだよ」
人間豹 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
明智探偵事務所は、同じ麻布の竜土町りゅうどちょうにあるのですから、歩いていってもわけはありません。
妖怪博士 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
明智小五郎の住宅は、港区みなとく竜土町りゅうどちょう閑静かんせいなやしき町にありました。名探偵は、まだ若くて美しい文代ふみよ夫人と、助手の小林少年と、お手伝いさんひとりの、質素な暮らしをしているのでした。
怪人二十面相 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)