空足からあし)” の例文
高円山たかまどやまの墓原も、佐紀の沼地・雑木原も、又は、南は山村やまむら、北は奈良山、泉川の見える処まで馳せ廻って、戻る者も戻る者も、皆空足からあしを踏んで来た。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
そそのかすようにいいながら、たたっ——と、空足からあしを踏んで見せたその響きに、寄せられたように二人の手先が、銀磨きの十手を振りかぶって、まりのように飛び込んで来た。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
と手を引張ひっぱると、猶予ためらいながら、とぼとぼと畳に空足からあしを踏んで、板のへ出た。
国貞えがく (新字新仮名) / 泉鏡花(著)