空気草履くうきぞうり)” の例文
えんじゅの根もとに走り寄った敏子は、空気草履くうきぞうり爪立つまだてながら、出来るだけ腕を伸ばして見た。しかし籠を吊した枝には、容易に指さえとどこうとしない。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
一人がう、空気草履くうきぞうりの、なまめかしい褄捌つまさばきで駆けて来る、目鼻は玉江たまえ。……う一人は玉野たまのであつた。
伯爵の釵 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)