穆々ぼくぼく)” の例文
今の太上天皇様が、まだ宮廷の御あるじで居させられた頃、八歳の南家の郎女は、童女わらわめとして、初の殿上てんじょうをした。穆々ぼくぼくたる宮の内の明りは、ほのかな香気を含んで、流れて居た。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)