神子上みこがみ)” の例文
松坂まで行けば、この伊勢の出身者で、近ごろの鬼才とうたわれる神子上みこがみ典膳のいることは分っているが、武蔵は思い止まって、津で降りる。
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
此時の城攻しろぜめに、後年の小野次郎左衛門事神子上みこがみ典膳が、一の太刀の手柄を表している。
真田幸村 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
神子上みこがみ家は、世々、神宮のおまもりをしている伊勢の神職荒木田家に属す神苑衛士えじの家だったが、典膳がもの心づいた頃は、松坂ざいにひきこもって、母ひとり子ひとりの暮しであった。
剣の四君子:05 小野忠明 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
むしろ茫然たる姿は、ただ一刀に彼を斬った神子上みこがみ典膳の姿だった。
剣の四君子:05 小野忠明 (新字新仮名) / 吉川英治(著)