その雨の中を、ただ一書かきのこして、神子上典膳みこがみてんぜんは家の門を出てしまった。もちろん修行の旅へである。
剣の四君子:05 小野忠明 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その善鬼というのは、彼がまだ青年の頃、名も神子上典膳みこがみてんぜんといって、伊藤弥五郎一刀斎にいて修行に歩いていた当時——同じ師に付いていたこわ兄弟子あにでしだった。
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「すんでいない。みろっ。神子上典膳みこがみてんぜんはまだかくの如く健在だ。片輪者になってはおらぬぞ」
剣の四君子:05 小野忠明 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
神子上典膳みこがみてんぜんっていたが、関ヶ原の戦後、秀忠将軍の陣旅で、剣法講話をしたのが機縁で、幕士に加えられ、江戸の神田山に宅地をもらって、柳生家とならんで師範に列し、姓も
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「それがしは、神子上典膳みこがみてんぜんという若輩じゃくはいです」
剣の四君子:05 小野忠明 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
神子上典膳みこがみてんぜんというお人で」
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)