社会せけん)” の例文
「それもいい。——それもいいがあのような仏魔を、永くこの世に置くことは、取りも直さず、社会せけんの害毒になるではないか」
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
藤原、平家、源氏、いつの治世でも、俗吏は醜悪の歴史を繰り返し、人民は、ずるく、あくどく、自己のことばかりで生きている。それが社会せけん
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そういうと、いかにも、この社会せけんというものが清浄きれいに聞えるが、どこにそんな清い社会せけんがあったか。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
布施で生きている武者修行が剣のみをみがいても、それを治国の道に生かすことを知らず、また、社会せけんばなれな武骨一偏になってしまい易いことも当然である——と武蔵は思った。
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)