破風口はふぐち)” の例文
そこはあのは近頃こちらへ参りましたなり、破風口はふぐちから、=無事か=の一件なんざ、夢にも知りませず、また沢井様などでも誰もそんなことは存じません。
政談十二社 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
見上げた破風口はふぐちは峠ほど高し、とぼんと野原へ出たような気がして、えんに添いつつ中土間なかどまを、囲炉裡いろりの前を向うへ通ると、桃桜ももさくらぱっと輝くばかり、五壇ごだん一面の緋毛氈ひもうせん、やがて四畳半を充満いっぱいに雛
雛がたり (新字新仮名) / 泉鏡花(著)