破壊こは)” の例文
旧字:破壞
空吹く風もつち打つ雨も人間ひとほど我にはつれからねば、塔破壊こはされても倒されても悦びこそせめ恨はせじ、板一枚の吹きめくられ釘一本の抜かるゝとも
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
初日の大当を、お客様が破壊こはしてしまふのである。なんたる惨状だらう。
防火栓 (新字旧仮名) / ゲオルヒ・ヒルシュフェルド(著)
七藏殿それは真実まことでござりまするか、嗚呼なさけ無い、何程風の強ければとて頼みきつたる上人様までが、此十兵衞の一心かけて建てたものを脆くも破壊こはるゝ歟のやうに思し召されたか口惜しい
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)