瞪目とうもく)” の例文
銀貨一片に瞪目とうもくせし乗り合いよ、君らをして今夜天神橋上の壮語を聞かしめなば、肝胆たちまち破れて、血は耳に迸出ほとばしらん。花顔柳腰の人、そもそもなんじは狐狸こりか、変化へんげか、魔性か。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
李は、話の腰を折られたまま、呆然ぼうぜんとして、ただ、道士の顔を見つめていた。(こいつは、気違いだ。)——やっとこう云う反省が起って来たのは、暫くの間瞪目とうもくして、黙っていた後の事である。
仙人 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
弦光は瞪目とうもく一番した。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)