相輪橖そうりんとう)” の例文
「それじゃ相輪橖そうりんとうも見ないだろう」と大きな声を出す。声の主は老人である。色の好い頬の肉が双方から垂れ余って、抑えられたあごはやむを得ず二重ふたえに折れている。頭はだいぶ禿げかかった。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
とう修羅しゅら西さいは都に近ければ横川よかわの奥ぞ住みよかりけると云う歌がある通り、横川が一番さびしい、学問でもするに好い所となっている。——今話した相輪橖そうりんとうから五十丁も這入はいらなければ行かれない
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)