直心陰じきしんかげ)” の例文
直心陰じきしんかげを少しばかり習いました、それと、槍を少々教わった覚えがあるばかりですが、武術は本来、好きには好きです」
大菩薩峠:27 鈴慕の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
藩を浪人して諸国を修行し、武術に限ることはなく、およそ一芸一道にひいでた者はれなく訪ねて練り上げたもので、流儀の根本は直心陰じきしんかげです。
「幼少の頃、甲源一刀流を少しばかり。数年以前より直心陰じきしんかげの流れを汲みまして、未熟者みじゅくもの相当の修行中でござりまする」
「下谷の御徒町おかちまちに島田虎之助という先生がある、流儀は直心陰じきしんかげ、拙者が若いうちからの懇意こんいで、今でも折々は消息たよりをする、この人はまさに剣道の師たるべき達人じゃ」
聞くところによれば、江戸で島田虎之助という先生の門人で直心陰じきしんかげを学び、それから宝蔵院の槍の極意に達し、つきにかけては甲府城の内外はおろか、お膝元へ出ても前に立つ者は少なかろうとのこと
大菩薩峠:13 如法闇夜の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「島田先生は直心陰じきしんかげだということではありませんか」
大菩薩峠:07 東海道の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)