盗賊どろばう)” の例文
旧字:盜賊
大博物館だつて盗賊どろばうの手柄くらべを見るやうなものだが、そんな阿房げた論をして見たところで、野暮なはなしで世間に通用しない。
骨董 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
盗賊どろばう!』最初勝平は、さう叫ばうかとさへ思つたが、彼の四十男に相当した冷静が彼の口を制したが、その次ぎに、ムラ/\と彼の心を閉したものは、漠然たる嫉妬だつた。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
たれのであらう、もとよりあなたのではない、書斎も玄関も通らなかつたけれど、これを穿いて来たやうな客の寝て居る風はなかつた、盗賊どろばうのではないかと思つて戸のはうを見ても
遺書 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)