皿鉢さらばち)” の例文
それでも不思議な事にはねずみの跳梁ちょうりょうはいつのまにかやんでいた。まれに台所で皿鉢さらばちのかち合う音が聞こえても三毛は何も知らずに寝ていた。
ねずみと猫 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
台所では皿鉢さらばちのふれ合う音、庖丁ほうちょうの音、料理人や下女らの無作法な話し声などで一通り騒がしい上に、ねこ、犬
竜舌蘭 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
あるいは葬式や嫁入りの門先に皿鉢さらばちを砕く、あの習俗がこんな妙な形に歪曲わいきょくされて出現したのかもしれない。
三斜晶系 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
昼飯時が近くなるので、勝手のほうでは皿鉢さらばちの音がしたり、物を焼くにおいがしたりする。
花物語 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)