百代ももよ)” の例文
かんの上を見ると、いつの間にか綺麗きれい花環はなわせてあった。「いつ来たの」とそばにいる妹の百代ももよに聞いた。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
亡くなった母の実家から母の弟に当る渡辺又兵衛と、妻女の百代ももよが来、また父の弟で、瀬木家へ入婿した、叔父の蔵人と妻のかなえが来て、この二た夫妻が式の準備を受持って呉れた。
竹柏記 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
「皆んな怨んでるだ。私は給料が少なくて仕事が多いし、番頭さんは朝から晩までガミガミ言われるし、音松爺さんは六十八になるが、国へ帰して貰えそうもないし、お鶴は姉の百代ももよさんが焼け死んだし、勝太郎さんは嬉し野さんが死んだし——」