白井権八しらいごんぱち)” の例文
旧字:白井權八
毅堂は小柄こがらですこし前へかがんで歩む癖があった。面長おもながで額はひろく目は大きく眉は濃かったので、壮年の頃には白井権八しらいごんぱち綽名あだなをつけられたほどの美男子であった。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
「そいつは御苦労だな。大文字屋が長兵衛じゃあ、お前さんはさしずめ白井権八しらいごんぱちだろう。」
桜林 (新字新仮名) / 小山清(著)
あるいは鰹節かつおぶしを惜しまず他家の猫を誘いくくって放たず、ために比隣反目して白井権八しらいごんぱちは犬の捫択もんじゃくから人を殺して逐電したが、これは猫の手も間に合せたい多忙中に猫から大喧嘩を起し
白井権八しらいごんぱちの人殺しは郷里で犬の喧嘩に事起ったと、講談などで聞く。