癇癪紛かんしゃくまぎれ)” の例文
無人ぶにんで失礼。さあ、どうぞ、と先方さき編上靴あみあげぐつで手間が取れる。主税は気早に靴を脱いで、癇癪紛かんしゃくまぎれに、突然二階へ懸上る。段の下のひらきの蔭から、そりゃこそ旦那様。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)