痳痺まひ)” の例文
丁度ちょうどその間四五ちょうばかりというものは、実に、一種何物かに襲われたかのようなかんじがして、身体からだが、こう何処どことなく痳痺まひしたようで、とても言葉に言い現わせない心持こころもちであった、しかし
白い蝶 (新字新仮名) / 岡田三郎助(著)
うまい局所へ酒が回って、刻下の経済や、目前の生活や、又それに伴う苦痛やら、不平やら、心の底の騒がしさやらを全然痳痺まひしてしまった様に見える。平岡の談話は一躍して高い平面に飛び上がった。
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)