由来わけ)” の例文
旧字:由來
『ハ有難う、アノウ……。』と言ひ乍ら、智恵子は懐から例の手紙を取出して、手短に其由来わけを語つて清子に渡した。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
「されば」と、性善坊は、側から、その坐像のできた由来わけを話すのに、つぶさであった。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ちょっと良助さん。お話の途中かも知れんが、その日田のお金奉行というものは初めて聞くが一体、何様どげなお役人かいなあ。又その下役の野西ナニツラと言う若侍が、蔵元屋へ入り込んで来た由来わけは……」