瓢々ひょうひょう)” の例文
ことに美しい恋妻を亡くした後の鼎造には何か瓢々ひょうひょうとした気持ちが生れ、この生物にして無生物のような美しい生きもの金魚によけい興味を持ち出した。
金魚撩乱 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
かうしてブラウエンベルグ氏は、雷雲たたなはる英雄の座から悠然と降り立つて、今やカラマンケンあたりの山村の瓢々ひょうひょうたる一好々爺こうこうやになりすましたのである。
灰色の眼の女 (新字旧仮名) / 神西清(著)
白いもや草原くさはらをすれすれに這い、どうかすると、瓢々ひょうひょうたる幽霊の姿を隠している。にんじんは、両手を背中に組み、幽霊などちっともこわくないという証拠を見せる。
にんじん (新字新仮名) / ジュール・ルナール(著)