珊瑚色さんごいろ)” の例文
私は、ソーンフィールドから一マイルの、夏は野薔薇に、秋は胡桃くるみやきいちごに名高い、そして今も猶野薔薇と山櫨さんざしは少しばかりの珊瑚色さんごいろの實の殘つてゐる小徑にゐた。
間もなく今まで積まれてあった鹿の小山の褐色の色が、麻の葉叢はむらの上からだんだんに減ってくると、それにひきかえて、珊瑚色さんごいろの鹿の小山が新しく晴れ渡った空の中に高まってきた。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)