玉蜀黍殻とうきびがら)” の例文
びゅうびゅうと風は吹きつのっていた。赤坊の泣くのにこうじ果てて妻はぽつりと淋しそうに玉蜀黍殻とうきびがらの雪囲いの影に立っていた。
カインの末裔 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
玉蜀黍殻とうきびがらといたどりの茎で囲いをした二間半四方ほどの小屋が、前のめりにかしいで、海月くらげのような低い勾配こうばいの小山の半腹に立っていた。物のえた香と積肥つみごえの香がほしいままにただよっていた。
カインの末裔 (新字新仮名) / 有島武郎(著)