玄人跣足くろうとはだし)” の例文
勤番衆といえば名だけはいかめしいが、徳川もそろそろ末世で、いずれも江戸を喰いつめた旗本の次男三男。端唄や河東節かとうぶし玄人跣足くろうとはだしだが、刀の裏表も知らぬようなやくざ侍ばかり。
顎十郎捕物帳:01 捨公方 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
杉山さんというお医者さん、文学ものがたりが好きで眼が肥えていて、ちょっと玄人跣足くろうとはだしだった。お酒を呑むと武勇を揮い、私なんかも時々嚇かされたが、酒がさめると穏しくなり、よくご馳走をしてくれた。
任侠二刀流 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「肚の出来たお方ですから、時に玄人跣足くろうとはだしのところがございます」
ガラマサどん (新字新仮名) / 佐々木邦(著)