猟夫さつお)” の例文
旧字:獵夫
基経は何時かは茅原かやはら猟夫さつお太刀たちを合わすようなことになりはしないかと、二人がねらい合っている呼吸いきづかいを感じずにいられなかった。
姫たちばな (新字新仮名) / 室生犀星(著)
猟夫さつおの使う半弓を持った、それは醍醐弦四郎であったが、さも横柄に言葉をつづけた。
生死卍巴 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
津の父親は和泉の猟夫さつおと墓をならべることに、烈しい反感と不潔を感じたらしいが、基経の承諾を得た今になっては何もいえはしなかった。
姫たちばな (新字新仮名) / 室生犀星(著)
そして別の人は和泉に父をもつ猟夫さつおであった。衣裳のはやりと絢爛けんらんを尽くした平安朝の夕々は、むしろあいばんだというよりも濃い紫を溶き分けた。
姫たちばな (新字新仮名) / 室生犀星(著)