独唱ソロ)” の例文
旧字:獨唱
その歌はだれでも知っているのだと見えて聴衆がみんないっしょに歌い出してせっかくの独唱ソロはさんざんに押しつぶされてしまった。
旅日記から (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
「どうぞ。当夜は清水昌一しみずしょういちさんの独唱ソロもある筈になっていますから、是非大井さんとでもいらしって下さい。——君は清水さんを知っていたかしら。」
路上 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
にほやかに女の独唱ソロの沈みゆくここちにかなし春も暮るれば
桐の花 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
だからようやく独唱ソロが終って、けたたましい拍手はくしゅの音が起った時、彼はわずかにほっとした眼を挙げて、まるで救いを求めるように隣席の大井おおいを振返った。
路上 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)