牽強付会けんきょうふかい)” の例文
「無根の条目を牽強付会けんきょうふかいして、私の罪状をつくりあげ、私を国老の席から放逐するに相違ない、これでも対抗策をたてる必要がないと思うか」
これはあるいは多少牽強付会けんきょうふかいの説と見られるかもしれないがしかしとにかく一応こういう説も立て得られるということは事実であろうと思われる。
俳句の精神 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
晩年の巴が、義仲の命日には、年ごとに近江の義仲寺ぎちゅうじへ詣でたという地方伝説は、無邪気な牽強付会けんきょうふかいというものである。
随筆 新平家 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いわゆる正因正果しょういんしょうかの道理を用い過ごして牽強付会けんきょうふかいの説を考え出したのです。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
たとえばロシア映画のあるものは前者の類型であり、アメリカ映画のあるものは後者の仲間であると言ってもそうはなはだしい牽強付会けんきょうふかいではあるまいと思われる。
俳諧瑣談 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)