物体もの)” の例文
旧字:物體
染八の肩から、こう蹴鞠けまりまりのような物体ものが、宙へ飛びあがり、それを追って、深紅の布が一筋、ノシ上がった。切り口から吹き上がった血であった。
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
わっと叫ぶに泰助も驚きて、見遣る座敷の入口に、けぶりのごとき物体ものあって、朦朧もうろうとして漂えり。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)