“牙彫(げぼ)” の例文
石川光明という牙彫(げぼ)りの名人で、当時既に牙彫りでは日本で一、二を争う人となっていた人であったのです。
その頃流行(はや)り始めた牙彫(げぼ)りの内職をしながら、浜へ行って英語でも稽古をしようか、それとも思い切って身を落して、人力でも曳(ひ)いて楽に暮そうか——と、そんな事を考えているのでした。
肥(ふと)り肉(じし)の球根がむつちりとした白い肌もあらはに、寒々と乾いた土の上に寝転んだまま、牙彫(げぼ)りの彫物のやうな円みと厚ぽつたさとをもつて、曲りなりに高々と花茎と葉とを持ち上げてゐる。
水仙の幻想 (新字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
「何やら、人が見えたようであったな——あの牙彫(げぼ)りの親方のほかに——」
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)