“爪楊子”の読み方と例文
読み方割合
つまようじ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
お隣りのベッドに泰然とあぐらをかいて爪楊子つまようじを使いながら、うむと首肯うなずき、それからタオルで鼻の汗をゆっくりぬぐって
パンドラの匣 (新字新仮名) / 太宰治(著)
爪楊子つまようじのような弱々しい細い歩脚がこれと何らかの意味で釣合って、とにかく生存をつづけている蟹として完成している姿を作るには、ちょっと工夫がりそうだった。
南画を描く話 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
もっと確かな証拠は、あなたの襟にさした爪楊子つまようじ。そのひらに、真砂町更科と刷ってある。いけませんね、これじゃアわざわざ日本橋を大まわりして来たかいがない。いわばまるであけすけ。
顎十郎捕物帳:10 野伏大名 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)