煽風機せんぷうき)” の例文
所が生憎あいにくその隣の卓子テエブルでは、煽風機せんぷうきが勢いよく廻っているものだから、燐寸の火はそこまで届かない内に、いつも風に消されてしまう。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
私の脳髄の全部が忽ち煽風機せんぷうきのような廻転を初めた。身体からだ自然おのずと傾いて一方に倒れそうになったのを、かろうじて椅子の肘掛けで支え止めた。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
煽風機せんぷうきのように廻転する自分の頭の中を、眼の奥底に凝視しつつ…………。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)