“無始(むし)” の例文
わしは勢いに巻き込まれたのだという気がする。他人の欲望——というよりも、むしろ無始(むし)以来結ぼれて解けない人間の怨讐(おんしゅう)の大渦(うず)のなかに巻き込まれたのだという気がする。
俊寛 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
無始(むし)の昔から無限の末の世まで、続いて絶えない母と子との問題であるが故に、ことにその感を深くするものである。読者をただ眼前の人のみに求めた私たちの態度にも懺悔(ざんげ)すべきものが至って多い。
こども風土記 (新字新仮名) / 柳田国男(著)